女性と仕事
(2013年5月9日 10:11) カテゴリー:所長通信先ごろニュースをみていたら、
仕事を持つ女性が出産や育児で休職した場合
3年間は安心して育児などに専念できるよう 3年後の職場復帰を保障するなどの施策を推進する
これで 少子化対策や女性の戦力化 すなわち長期的な展望にたった経済成長のために役立つ
といった内容が報じられていた
せっかくの施策にケチをつけるようで申し訳ないのですが
私はあんまり良い案だとは思いません
まずその一つ
自分の能力をフルに発揮できるような(すなわち単なる雑用でない・・)仕事をするものにとって3年ブランクをあけてしまうと
制度として保障されていたとしても 実質的には もとのポジションにもどっても浦島太郎になってしまっていて そう簡単には復帰できないのではないかということ
戻ったとしても 幼児を抱えての仕事復帰ですから 休職前と同じようには 絶対働けない ということです
その結果、「3年も休んでおいて・・・」などというプレッシャーに負けて いごこち悪すぎ~ になってしまうのではないだろうか
その二
雇用側の会社からみると 3年たったころ第2子の出産育児がはみまって また3年・・となると 6年間空席を確保しなければならない
大企業ならともかく 日本経済を支え 一番元気になってもらわないといけない中小企業では
その間 どのような環境変化があるかもわからないのに 義務となるとちょっと尻込みしてしまいそう という本音が聞こえてきそうな気がします
そしてその三
赤ちゃんの間(3歳まで)は 子供は母親と一緒にいることが必要で それがその子供の幸せになる という論調です
私の孫も11ケ月目から保育園のお世話になり始めましたが
保育園に行っている というと「さびしいね~」とか「かわいそうに・・」という声をかける方が一人や二人でなく おられます
小さいときに 母親に抱きしめられ 愛されているという安心館のなかで成長することは その子の人生にとって何者にも代えがたい財産になるということには異論はありませんが
保育園にあずけられたから そのような体験の機会が奪われることはないと思いますし なによりまわりから「さびしくて かわいそうな子」と刷り込まれることこそ
取り返せないマイナスの影響ではないかとすら思います
せめて 「お友達がいっぱいできて いいね~」くらい 言えないものでしょうか
職場復帰ができることが保障されていることで 安心して出産や育児ができる ということ自体は 反対するももではありませんが
これだけ制度があるのに なぜ子供をもたない・・的にせめられても 困った感じになってしまいます
それより まず待機児童をなくす(せめて小学校を卒業するころまでは 子供の安全を見守る制度をつくる)ことに力を注いでほしいと思っているお母さんは多いのではないかと思います
そして なにより 子供を育てながら仕事ができる環境を整備する
たとえば
夜間でも必要ならば子供を預けられる場所がある
ちょっとした風邪や発熱程度ならば病児保育してもらえる
3時ころで仕事を終えられる仕事のしかたを組織で工夫するとか・・・・などが
子育てしながら 仕事をするという生活を支える施策である ということをもっともっと理解して浸透させてほしい
そのように思います
そして 子育てするのはお母さんだけではない お父さんも立派な当事者である ということを本人もまわりも当然のこととして受け入れる
そのようなワークシェアリングの意識を生活の隅々にいきわたらせることが地道ではあるが 大切なことであると思います