昨年後半から 賃上げのハナシがあちこちで唱えられています

最低賃金の目標の設定や 「103万円の壁」などと手取りの賃金を増やすための方法などが叫ばれています

しかし 給付金の支給や所得控除額の引き上げなど色々言われている割には単発的なその場限りの施策に見えて 持続的な効果のある施策に対する具体策は今一つ見えてこないように思います

やはり 持続的な賃上げのための王道は生産性を高めて景気をよくすることでしょうし 

景気をよくするためには企業などによる投資支出も増加しないと効果は発現しないとも思います

みんなが将来に希望を持ててこそ 消費も投資も積極的にできるのではないでしょうか

そのためには生産性を高めることが必須ですが そのためにはどうすればよいか ということになります

暗中模索のようなイメージがまったくわかない気持ちの中 一つ興味深い記事が目につきました

それは デンマーク文化研究家の針貝有佳氏の「デンマーク人はなぜ4時に帰っても成果を出せるのか」という著書であり

立教大学の菅沼隆教授のご意見にみられます

スイスの有力ビジネススクールIMDが2024年6月に発表した世界競争力ランキングではデンマークは3位、

「ビジネスの効率性」という指標ではトップであるという実績があるという事ですが

これについて「高い効率性の背景には徹底した無駄の排除と社員のモチベーションの高さ 管理職のマインドセットがある」と指摘されています

働く人は仕事に優先順位をつけ 無駄な会議は人の時間を奪うので参加者を厳選し延長はしない

午後4時には仕事を切り上げ 家族との夕食や私生活を大切にする という活動の仕方が見られる

効率化の原点は個人の生活を重視する姿勢にあると言えると言われています

上司は部下を管理するのではなく ファシリテーターに徹しており 適材適所を最重要視し 組織のパフォーマンスを最大限に引き上げることを目指している

個人はプロとみなされ フラットな組織運営が挑戦心と士気を高め 労働者の裁量は広く 人材の流動性は高いのでイノベーションも生まれやすい

などともいわれています

菅沼氏によれば 「日本には本当の意味での司令塔も明確なビジョンもない 厚労省だけでなく経産省や文科省も含めての横断的な取り組みが必要」であり

また「労働者の力や存在感を高めるためにも日本の労組は職業訓練の戦略を自前で作る必要がある」と指摘されています

日本は欧米のようなジョブ型雇用でないから難しい と言って思考停止に陥ることなく 

個人・企業・労組・政府のそれぞれで生産性を高めるためのスタートをきる必要に迫られている と自覚しないといけない と

つくづく考えさせられました