「カスハラ」というと 顧客による迷惑行為が頭に浮かびますが

企業間のカスハラも問題になっています

営業担当者が顧客企業から暴言を浴び 訴訟に発展する例も出てきたと以前新聞記事で見ました

自社の従業員が取引先企業の社長や担当者に長時間にわたって罵声を浴びたりすることが事例としてあげられています

一般消費者からのカスハラであっても 悪い評判をまき散らされたりといったことを心配して

ガマンしているといったことが多くあると思われますが

ビジネスの力関係を背景にした顧客企業から現場担当者への罵声などについては

(横暴な行為はゆるさないという)正論のみで乗り切るのは難しく

会社や担当部署のマイナスに直接つながるなどと忖度し現場サイドではなかなか対応できなくて 

現場担当者がひたすら謝って乗り切ろうと強度のストレスを浴びる ということになりがちです

現場の取引ではビジネス上の交渉で強い言葉が飛び交うこともあり 

どこからがカスハラか境界が曖昧であることもあり

今後の取引を気にして管理者が「我慢して」となだめることもありそうです

実際の裁判では 取引先からのカスハラを不法行為と認める例が出てきていますし

相手企業やその従業員だけでなく 被害者の勤務先の企業も法的責任を問われることにもなってきている ということです

「勤務先の企業も対策を取れたのに怠ったということで 従業員に対する安全配慮義務違反が認められる」 ということになります

そこで BtoBの業態でもカスハラ対策を進める企業が出てきています

また行政でも議論が進んでいると聞きます

いずれも取引先企業からのカスハラは 長期的な取引関係や利害が会社の成績に直結することから

現場の担当者や管理職レベルでの解決は難しいと思われます

経営層が実態を把握し 従業員が安心してお客様と接することができるように

毅然として従業員を守る姿勢を明確にするとともに

自社の従業員が取引先に対して「優越的地位の乱用」や「不当な経済上の利益の提供要請」をしないように

啓発していくことも重要になってきています

この様な問題に関しては 今後は従業員を被害から守るだけでなく 加害者を出さない対策もひろがりそうだ ということです