かんぽの課題
(2019年10月15日 09:00) カテゴリー:所長通信先日の新聞に「かんぽ 中間報告」という記事がありました
このたびの「かんぽ生命保険」「日本郵便」に
金融庁が9月11日から立ち入り検査を始めた
その中でわかってきた課題についての記事で
特別調査委が指摘した不適切販売の原因として以下の項目が上がっていました
・青壮年に人気の商品が少なく 勧誘相手が高齢者中心に
・かんぽから日本郵便への指導 日本郵政の統制が不足
・顧客の不利益を防ぐための 条件付き契約や転換制度の不備
・経営目標や人事評価体系が新規契約の獲得に偏り
・販売員の実力に見合わない目標設定や「恫喝指導」
・顧客本位の意識やリスク感度が低い組織風土
・不正調査が甘く 販売員が否定すればうのみに
・経営層に報告する過程で情報が希薄化 矮小化
とならべられていました
また記事によると
日本郵政の長門社長が記者会見で
「持株会社の経営陣まで情報が上がっていなかった」と強調されたとあり
その原因は監査部門の人員不足などの物理的(?)原因などがあげられていたようですが
「言っても変わらない」とボトムの人たちが思っているというところが一番大きいと思われます
「以前からこのような問題が山のようにあった。監査部門に問題提起してたが動こうとしなかった
起こるべくして起きたとしか思えない」という郵便局長の言葉が記事にありました
まさにこれが全てと言ってよい原因ではないかと感じます
もう時効と言えるほど以前
仕事先のかんぽの満期の会計処理において
担当課長が「書類不備ということにして 手続きをながびかせれば 収益に計上しなくてよい」
といったアドバイスをしていたという事件がありました
アドバイスの内容が許されない不正につながっていることはもちろん恐ろしいことですが
そのことに気付き 当該課長と面談してそのアドバイスの正当性はあるのか その理由はと質問した途端
その課長が突然転勤して うやむやになったという事態に遭遇しました
そのあとは 何を聞いても担当が転勤したので・・・
その時そのようなアドバイスを平気(?)でできると思って行動したその職員の行動が現場における問題であることは間違いないのですが
そのあと組織としてのフォローがなく うやむやにして逃げた(としか見えない)組織に開いた口がふさがりませんでした
もしこれが民間の保険会社なら 当人の処遇も含めて会社から何がしかの謝罪や対応の提示があったはずだと思いますし
その原因や経緯によっては その会社が営業停止といった重い処罰を受けることになった可能性もあると思います
その時も「何?」「どうして?」と狐につままれたような思いであった記憶がありますが
今回の問題の根はそのころからあったのだと 変にうなずけてしまいました