私どもの事務所では決算や月次の報告時に 単に数字の説明をするだけでなく

キャッシュフローについてや前年との比較や予算との比較などをして

その月あるいはその事業年度について分析的な報告もさせていただいています

それにはまず担当者がそのお客さまのことを一番よく見ているから という理由で

そのベースになる意見や報告案を作成します

それらそれぞれの担当者が作成した分析資料や報告書をベースに私が自分なりの視点も交えて

報告させていただいています

その担当者の分析意見を見ていて思うことがあります

それは分析して意見を述べるというとき リスクや短所 あるいは問題点といった事項はいろいろでてきます

また 何も報告することが見つからないという相談もよくあります

以前私共の事務所にいた税理士ですが 問題点を指摘することが分析の目的でそれがアドバイスと思っているような人がいました

ある意味 報告することがないような平穏な推移こそが賞賛にあたいする ということもあります

問題点を早期に指摘することによってリスクを回避していただけた とか

方針決定に役立てていただけた というのは大切なことで 重要なことですが

それだけが分析的な報告なのか と考えてしまいます

私はあえて何かをしなかった とか いつもと同じが続いている というような状況も時と場合によっては大切なことで

重要な報告になることがある 思っています

特に大きな会社では 社長が隅々まで会社で起こっていることを把握しきれていないこともあります

取締役会でも大きな動きについてが議題になるでしょう

しかし、大きな成果を上げた とか 大幅な上昇があった 大幅な減少があった といった目立つ事象は

あえてそれを指摘しなくても当然認識されていると思われるので

むしろ数字につながらない事前の判断が危険を回避した というような事象や

コツコツと常に手を抜くことなく 維持している といった 決算書や試算表の数字には反映していないことなどが

大切なニュースであることもあるのではないかと思うのです

もちろん 私共は数字を扱い 結果について分析し報告する仕事ですから 見えない(数字に表れない)ことには

気づかないことの方が多いかもしれません

しかし 注意深くみていると 動くはずだと予想していた数字が動かない などということも気づきます

そのような時にその原因をさぐってみることによって 縁の下の力持ちや派手ではないけれど大切な仕事をしている

部署や人の存在も見えてきます

警鐘をならしたり 成果のあったところを賞賛するだけでなく

そのような目立たないけれど 大切なことにいかに気づいて報告できるか

そのような 会社の方有働を注意深く見守り 活動している現場とのコミュニケーションをもち

将来についての洞察力を働かせる ということも 顧問会計士(税理士)と名乗る限りは

大切な仕事であると思っています