解雇規制の緩和
(2024年12月9日 09:00) カテゴリー:所長通信長距離トラックの運転手さんの残業時間規制が実施されてすでに2ケ月以上が経過しました
郵便物や荷物の配達期日が守れなくなり 予定の日時に受け取れないなどは日常となり
少し前の郵便や宅配の正確性とサービスの質を懐かしく思う気持ちもあります
働く人の体と心を守るためには ある程度強硬手段で施策を実施することも時には必要だとは思います
片や解雇規制(客観的に合理的な理由なく社会通念上相当と認められない解雇は無効という規制)も緩和の方向で検討されていると聞いています
一方で労働者の健康をまもると同時に他方で企業に無理な負担を強いることがないような施策かと思ってみたりしています
個人的には 残業時間は規制され 労働者の確保がより困難になってきている企業の現場の窮状をみるに
労働者の確保に苦労している現場にとって解雇しやすいなどというのは あまり自由競争できるような後押しとは思えないような気がします
また今以上に労働者の差別化が進み 格差が広がっていくとも思います
転職によって年収が1割以上増加する人の割合が約40%と過去最高水準にあるという数字も見ました
人手不足やジョブ型雇用の広がりを背景に労働者は転職に踏み切りやすく 明らかに人材の流動化がすすんでいるようです
この様な社会の変化に対応するには
「就社」ではなく「就職」である との意思改革が必要であり
それに伴う修業規則の変更や労働者の評価ルールなども見直されなければならないことになります
リスキリングについても意識は高いと言われていますが 実際の取り組みは進んでいないようですし
最低賃金をアップさせることも 違法に残業をさせることも 絶対的に見逃すわけにはいかない目の前の課題ではありますが
同時にキャリア形成についての意識やリスキリングの取り組み支援やジョブ型雇用の一般化などを推進して
底辺から働きやすい社会つくりをしていくことは先送りできません
今後ますます労働力不足が深刻になり そのため経済も活性化できないとなる前に
外国人労働者の雇用などもふくめ 広く総合的に労働問題を解決するためには
給付金や最低賃金という短期的なカンフル的施策だけでなく
地に足の着いた施策をしていくことを切に願っています