昨日 新聞をめくっていましたら 社説に「AIの著作権侵害」というタイトルが目に入ってきました

正直 AIが著作権を侵害することがある という発想は私にはありませんでした

すでにオープンになっている文章や記事を収集して整理して一般論的に使用するようなパターンを

なんとなく想像していたので 

著作権のある著作物を無断学習して使用するという事は 少し考えればわかることなのに

あまりの急速な普及などに目を奪われ 

偽の情報の拡散や AIによって仕事が奪われる害などの方に注意が向いていたように思います

クリエーターがインターネット上に公開したオリジナル画像が第三者によって生成AIを使い改変されるようなことも多発しているということです

今までもAIに限らず(特に日本では)著作権があまり大切にされてこなかったような気もしますが

文化庁の文化審議会小委員会が「考え方」案を取りまとめたというニュースも同時に見ました

案では開発や利用段階で権利侵害になり得る具体例として報道機関や学術論文の出版社などがデータベースとして有償提供する情報を

無償で使う場合などを挙げているという事ですが

どのような場合が権利侵害になるのか という段階で色々な解釈があり 

あえてAIと言わなくても難しいところであることが察せられます

規制の強化に前向きなEUでは学術研究目的を除き 権利者がAIの学習利用を拒否できる制度の創設 を加盟国に義務付けたという先進事例もあるようです

侵害に対する具体的な判例が多くなく 権利保護を図るには限界がある という意見もある中で

著作権者の保護は国際潮流でもある現状で

AI技術に対応する実効的なセリ度や環境整備は急いでしても早すぎるという事はないと思われます

それにしても

昔 (博士)論文やそれに向けて小論分を執筆するときに 教授から他の研究者の成果や理論を援用する場合は

どんな事があってもその出典箇所などを注記(脚注や章注)し、明記するように言われたことを思い出します

たとえ不注意であっても 明記せずに(すなわち無断で)論文中に先行研究の成果などを利用してしまったら 

「あなたの研究者として命はその瞬間になくなりますよ」と言われたことに今更ながら心が震えます

AIは心がふるえないでしょうが AIを利用する人やその成果物を利用する人の心も震えてほしいと思います