ある新聞で ホンダがあえて全員出社の道を進みだした といった内容の記事を見ました

社長が栃木の研究所を訪れたとき 駐車場があまりに閑散としていることに驚いたのが契機で

これはコロナ禍で在宅勤務が浸透したから ということだそうですが

社員が立場を超えて対面で議論するホンダ伝統の「ワイガヤ」が消えてしまうと

独自技術や独自製品を生み出すイノベーション力がなくなるということなので

その再興を目指して社員全員出社の道に舵を切ったということです

多分「ワイガヤ」といっても 今までと全く同じことをいっているのではなく

新しい「ワイガヤ」を目指していることはもちろんだと思いますが

この記事をみて ちょっと我が意を得たという気持ちになりました

比較にもなりませんが

私共の事務所でも テレワークできる環境が整い

テレワークを利用することも普通の業務の一環となってきています

またそれを支えるために入手した情報はすべてデータ化し だれでもどこででも利用できるようになってきています

そして ネット上でのデータ利用や作業をセキュリィ面で支えるための 使用ルールやチェックリスト マニュアルも整えられてきました

私たち職業会計人は 卓越した専門知識と抱負な経験の上に・・と定義づけられているように

単なる技術や知識だけでなく 豊富な経験も必要とされています

このテレワークでどこででも作業できる あるいは作業する という仕組みが

この豊富な経験を蓄積することに役立つのか ということを最近疑問に思うようになってきています

決められた手順にに従って 作業するという仕事の仕方では 経験は積み重ねられない

多少の経験の蓄積はあっても 個人だけでの経験など多寡がしれているから と不安に思っているのです

同じ場所で作業していると ちょっとした疑問でもすぐ口にして聞くことができますし

その会話を耳にした他の人が自分の経験などから別の意見や解決策を言って・・・ということになります

一人で作業していると ふっと感じた疑問があっても それをすぐに質問ソフトに入力するということはまずないでしょう

ちゃんとした質問でないと感じれば そのような質問を公にすること自体ためらってしまうということもあるでしょう

せっかくの学習し高め合える機会の一つがそれで闇に葬られます

働き方の多様性を受け入れ 能力ある人材を獲得するためには

働き方の自由度も高める必要があり その一つがテレワーク・・ という議論もありますが

人の中に蓄積される暗黙知を絶やさないようにすることは

失くなってからではどうしようもない損失となるのでは という不安が消えません