ジョブ型雇用
(2021年10月18日 09:00) カテゴリー:所長通信コロナ禍において在宅勤務などが奨励され
この様な場所に縛られない仕事の仕方に急激に取り組まれるようになりました
ある意味外圧によって 急速に企業の雇用システムの見直しが促進されたといえるかもしれませんし
このグローバル化は今後の日本企業が海外企業と競争するにおいて非常によいことともいえると思います
ところが 現実としては
とりあえず 通信状況を整備し パソコンを支給し などとハード部分のインフラをとにかく整備した・・・
といったところにとどまっていることも多く
セキュリティ対策も取られているとなれば かなり進展している などといった評価になることが多いように感じています
しかし たとえば 従業員の仕事を時間で管理しようとすれば
どのように管理すればよいのかといったことが非常に重要な悩ましいポイントとなっているようです
時間で管理したり仕事の評価をしようということは在宅勤務のような仕組みでは無理ということになるのですが
日本の企業では 長い間
「会社が雇用を保障する代わりに 社員は会社の業務指示に従って
原則 どのような業務にも従事する」という労働取引の認識で成り立ってきているので
この考え方ではジョブ型の勤務は当てはまらないのです
しかし このような日本企業の労働システムでは
産業の構造的変化に対しては人材流動が起きにくくなって
職務内容(ジョブ)に基づいて 適切な能力や知識を持った人材を確保し有効利用が難しくなるので
企業の成長発展 すなわち経済成長を阻害してしまっていたりしていたといえますし
このままでは 適切で高度な専門知識や経験を持った人材を確保し有効に利用できないままになり
別の側面では中高年のぶら下がり人材が常に発生し続けるということになります
この労働の考え方というのは長い間のいわば企業文化になってしまっているような基本的な状態であるので
少しくらい問題意識を持ったり 環境の変化があったくらいでは そう簡単に変わるものはありません
いずれにしても 困難であったとしてもこのジョブ型雇用の導入は今後せざるを得ない経営課題であることも間違いありません
この問題に対するコンサルの専門家によると
ジョブ型雇用にの導入対する現実の手法には以下のタイプがあるということです
1 一国二制度
大半の従業員は従来通りの雇用システムを維持し 中途採用された社員や選抜された社員についてジョブ型制度を採用するやり方
2 段階的移行
採用や配置 育成などのフローの見直しをし そののち報酬系施策をするか
職種別報酬制度をまずは導入し その後徐々に移動などの場面でジョブ型に変えていく
3 短期全面移行
採用 配置 教育 評価 報酬等について人事機能を一気に刷新する
ハードルは高いができないこともない
いずれも その法人の業種や規模など個別に考えて推進することになるのでしょう
また何があるいはどれが最適というものでもないのでしょう
このコンサルの専門家によると
導入あるいは刷新についての最悪のシナリオは
「ハードルの高さに怯んで変われないこと」だそうです
難しいとはわかっていますが まさにその通り とうなずいたところです