令和元年9月26日政府税制調査会の意見に

資産再分配機能の適切な確保と資産移転の時期の選択に中立的な税制の構築・・・と

述べられたあたりからだんだん具体的な姿が見えてきたように思えます

令和2年税制改正大綱にも

資産移転の時期の選択に中立的な税制の構築と・・・・とあり

令和3年税制改正大綱にも

資産移転の時期の選択に中立的な相続税・贈与税に向けた検討・・・ とあります

具体的には何がおこるというのでしょうか

まだ 具体的には何もわかりませんが

生前に暦年贈与した財産について あらためて相続財産に含めて課税するという流れを言っているようです

現行の相続でも 相続発生(死亡)前3年間の贈与は相続財産に含めて課税することになっています

すなわち その期間(3年前から相続発生まで)の贈与財産は相続財産に含めて相続税を計算し

もしその贈与時に贈与税を納税していれば 相続税の前払いとして相続税から控除して納税する という課税方法です

暦年贈与は110万円まで基礎控除がありますので 例えば毎年110万円贈与すれば10年間で1100万円

無税で財産を移転できることになることは ご存じの方も多いと思います

同じ金額では贈与税の方が相続税より税率は高いですが 相続税の税率が高い(例えば40%・・一億円以上とか

55%・・6億円以上)の一族ならば多少の贈与税を納税しても少しでも財産を移転するほうが相続対策になる として

一般的に暦年贈与は行われてきたところです

この暦年課税贈与はそのまま認めて 今相続発生時より3年前からの贈与財産は相続財産に含めて・・という

3年が5年、10年、15年あるいは全部となるという説や 暦年贈与が廃止になるという説までがささやかれています

いつからということについては令和4年4月1日の相続から や 令和5年4月1日の相続から という説があります

いずれにしても「贈与から」でなく「相続から」ですから 

今までにした贈与は「セーフ」とはいかないようです

これに関係して教育資金の贈与や結婚子育て資金一括贈与の取り扱いも考えることになりそうです

(この二つの贈与は令和5年3月31日まで延長となっていますので その間はできる したほうがよい等々あります)

貧富の差の拡大などの是正というのが大きな課題となっているなかでの施策という位置づけだと思われますが

富裕層と言われる人たちであっても 相続が3回済めば「ただの人」と言われますが

経済の活力の源はどこにあるのか も考えないといけないでしょうし

なにより 長い間少しづつ贈与してきたのに・・・という人たちのため息が救済できるのか

大きな動きがでてくることになるようです