暗黙の要求
(2012年5月28日 16:18) カテゴリー:所長通信お客が何か注文する時 あるいは依頼をするとき
言葉や文書で依頼するわけですが 言葉や文書に表さないけれど当然に期待している要求というものがあります
これを暗黙の要求といいます
たとえば うどん屋にいって 「**うどんをください」と注文したとき
当然に生ぬるい 伸びたうどんは出てこないと思っています
「アツアツのおいしい**うどん」 などとわざわざ言わなくても アツアツのできたてのおいしいうどんが提供されるのは当たり前のことと思っているはずです
これが暗黙の要求です
何かものを預かってもらったら 「1週間後にかえしてください」などと約束をしますが その際も現況のまま返してもらえる と思うのが当然です
まさか 壊れてかえってくる とは予想もしないはずです
私たちが仕事を受注する時 お客さまから どのようなご業務を希望されているのか 具体的に依頼事項をお聞きします
たとえば 月次の会計データの入力をしてほしい 決算と 税務申告書の作成をしてほしい 等々です
この 言葉でまたは文書でご依頼いただく要求事項は明示的な要求です
**をしてほしい とはっきりと明示される ご依頼です
しかし そのように依頼されるとき あたりまえのこととして 言葉にされない依頼事項がある ということを忘れてはならないと思っています
たとえば
会計データの入力をする時 当然のこととして 会計税務の専門家として 適正な判断をして間違いのない処理をしてくれるはずである ということであったり
税務調査で 指摘をうけて 多額の修正申告と納税を強いられるような 間違った判断による申告書の作成はしないはずである ということであったり
もし 何かおかしいことがみつかれば(発見すること自体はご依頼事項の目的ではないとはいうものの) 知りえた事項は当然社長に報告をしてくれるはずである といった 期待です
これらの暗黙の要求にどれだけ配慮できるか ということがサービスの質につながるのではないでしょうか
これらは 生まれてからの日常生活のなかで培われるものであったり 社会人としての経験で体得するものであったり すると思います
私たちは専門的業務を提供する仕事をしているわけですが ともすると 資格試験に合格すれば一人前と勘違いする人がいます
専門知識は不可欠なものではありますが 会計や税法のルールを活かすも殺すも 実はこの「常識」(経験というものかもしれませんが)なのではないか と 経験をすればするほど感じます